写旅ログ #31 千畳敷カール 1/7,8

棚本夫妻と中ア千畳敷に行ってきた
月は満月-2日 16時に月出 月入りは翌朝6時くらい
天気予報はあまりよくなかったが冬型に戻ることを期待してそのままホテルを予約した
結果、正月からずっと雲の中だったが1/6から快晴となり、滞在した2日間とも快晴で気持ち良い光景を堪能できた。感謝感謝!
また宝剣の稜線まで登ることができてほっとした
年末から山浸りだが今回の山行で膝が悪化してしまったよん
再来週までに回復するだろうか

金曜日の晩、棚本号と駒ヶ根ICの手前の小黒川PA車中泊
朝食を食べて、菅の平で車をデポ、バスでしらび平に行きそこから10時のロープウェイで一気に白銀の世界へ 楽チン楽チン
昔はロープウェイがあるところなど敬遠してたのだが^^(30年前に訪れたのは大学卒業の冬だったんだなぁ 就職活動もしないで山ばかり行ってたな)
ロープウェイを降りたところで入山届けを書き、補導員の方と話をした。私の履いているザングツは3シーズン用で、まさか厳冬期に山に行くほどとは思いもしなかった
すかさず補導員の方に見破られ、凍傷になるので稜線に出てもすぐ帰って来なさいと釘を刺されてしまった。
ホテルに余分な食料 水を置いて、アイゼン、ピッケルスタイルで出撃。
ホテル付近で-16℃。宝剣付近の雪は少なく岩肌が露出していた
当初 昼間は偵察モード どの程度登れるかを見に行く程度と考えていて、実際宝剣まで行くのは朝3時月明かりで登ろうと思っいてた。
今回は新しい相棒が仲間入りした。憧れの14-24である。
トレースを辿りホテル下で早速14-24で撮影。

うーん久しぶりの超広角だ。楽しいフレームワーク
14-24はレンズが飛び出しているのでフィルターが付けられない。PLを付けてないのに空が真っ黒になってしまった

駒ヶ根の麓から拭き上がる風でトレースは、瞬く間に飛んできた雪が溜まり真平らになる。そしてトレースの淵だけが僅かに残るだけとなる。その淵の間を前日にモンベルチームの方たちが作ってくれた足あとをピッケルを刺して探しながら進む。
先人のトレースの上を進むと20cmくらい沈むだけで進めるが外すと太ももくらいまで沈んでしまう。まるで雪に埋まった木道を進んでいるようだ。
スノーシューがあったほうがいいとは思うが、この先の岩肌が露出した急勾配を登ることを考えるとスノーシューを脱着する余裕はないため要らない。

カールの底から少し進んだ所で空一杯に雪煙が舞った
舞ったとたんとんでもないスピードで頭上を駆け抜ける

進んでいくと傾斜がだんだんとキツくってきた。
トレースを見失い足あとが全くなくなる場所があり2度ほどラッセルを強いられた。雪質はさらさらパウダーなのだが、実際には寒さのためか硬い層となり足の付根くらい潜ると膝で進めずアイゼンで削りながらのラッセルとなった

体力をかなり消耗して急勾配をゆっくり進む。山も自転車もキツくても自分のペースでゆっくりでも前に進んでいれば必ず先に進める。このソリッド感が好きだ

急勾配の途中 今度は稜線からの風が吹き荒れシュカブラが見事な場所があり、無謀だったがザックを下ろし雪煙の中撮影した。当然だが平らな場所はなくザッグは風で飛ばされないようにピッケルで固定する。

この写真の上の先 見えなくなる場所が稜線の入り口ではなく傾斜がキツくて先が見えないだけなのだ。
あまり長い時間は撮影できないので諦めて登り始めるがもうヘロヘロ。こんな急勾配を月あかりで登るなんて妄想は吹っ飛んだ。夜の撮影は諦めた。
雪は少なくカチンカチンに凍っている訳ではないので歩きやすい。ただ突風が吹くので雪面に刺したピッケルにしがみついてやり過ごしながら詰めていく。



ジグザクの階段を超えると突然穏やかな風景に一変する。稜線に出たのである
懐かしいあの山小屋の風景が広がっていた。しかし寒い。温度計を見る余裕はなかったが体感-30℃クラスだと感じた
ポットのコーヒーを飲みシリアルを食べようとしたらいつものポケットになく食料がないことに気づいた。既に15時過ぎ。だめじゃん


宝剣裏の天狗岩を見に行こうとしたが烈風で顔が痛く断念。15分くらい雪煙と小屋の写真を撮っていた手がしびれるように痛くなり稜線から戻ることにした。

慎重に下り倒れ込むようにホテルに戻った。疲れて声も出なかった。
年寄りの大冒険終了。食料は点検すること、が教訓
初フィールドの14-24君の目玉は氷がびっしりと付いていた とほほ
手の先が少し黒ずんでいたがしばらくすると赤く腫れて翌朝には戻っていた

夕食を済ませ星景撮影はホテルの前のみ 既に膝が痛くもう動けない

そそくさと撮影終了し、風呂に入り少し生き返る。


朝もそこそこ撮り終了。陽の入り方がまとも過ぎてシュカブラと宝剣が橙色になるところを撮れなかった。自分の影が入ってしまう。
9時のロープウェイで下山。やはり宝剣稜線突破で今回の気力を全て使い果たしてしまった。あと1日休みがあり、高速で岡谷JCに向かう間このまま真っ直ぐ行って白馬松川で月明かりを撮ろうかと迷ったが疲れと膝の痛みに我に返り岡谷から諏訪に向かった。

月曜日の朝、LIVEでsteelersのプレイオフ敗退を見た 今年のNFLは終了だ 残念
まぁけが人が多すぎて馬さんチームに勝っても愛国野郎には歯が立たなかっただろう

山行としては大満足だけど憧れの14-24初撮りは不完全燃焼だった。
が1/21 22は新月なので星撮り絶好の条件だ
どこ行こうかな その前に早く膝を治さなきゃ


後記 宝剣稜線までの急勾配の中ほどで上からスノーシューとストック、ザッグに三脚と言う出で立ちで降りてくる写真家に遭遇した。岩肌も露出し場所によっては吹き溜まりもある急勾配をスノーシューで降りれる技術と勇気はすごいがかなりお門違いだ
ストックでは滑落した時止めることはできないし 他人の巻き添いは最悪の事態となる
棚田での写真家出入り禁止と同様にならなければいいが… 何せ棚田と違うは命に関わるから