写実絵画展「光と風をかんじて・・」

ホキ美術館で「光と風をかんじて・・」展を見に行ってきた。
写実絵画は初めて見たが中々面白かった。
写真をやっていると如何に人間の目が高性能であるかを思い知らされる
だから夜を好んでいるのかも^^
目の被写界深度など無視したピントの深さ、EV差をものともせず処理してしまう能力
は今の一眼では到底及ばない。
普段から人の視覚で物を見ているからこの写実絵画の唸るところは気がつかないのかもしれない。
殆どの人は「わー綺麗、写真みたい」で終わってしまうようで\1800の入場料はどれほどの価値になったのだろう。
一眼が勝るとすればシャッタースピードとISO、焦点距離ぐらいかな
さて気に入った絵画のハガキを買ってきたのでご紹介
曽根 茂氏の「細雨」FineRain

湿った空気感がいい感じだと思った。全体的に寒色系に色かぶりを調整されていてより静かな雰囲気が出てる(現像で使える)
土の道の濡れれば濃い色になるところだが薄い水の膜に光りが反射しているところを表現したのかも これも目だから見えるものだね PLで反射を大きくするときっと葉も光ってしまうかもね
こういう風景は撮れそうで中々撮れない

続いて 大畑稔浩氏の「苗名の滝」

私が面白いと思ったのはシャッタースピードの違い。
滝から落ちる流れを止めて迫力ある描写を施しているが、苗名の滝は水量が多いので多分シャッタースピードを1/250以上にしないと止まらないんじゃ無いかな多分 もし1/250で切り出していたら手前のゆっくりとした流れはあぶくだらけになるのだか、ここは/30程度の早さに落としている。目って素晴らしい って言うかこれは紛れもなく写真ではなく絵です。いいなぁ絵って^^

青木俊郎氏「アルザスの村展望」

影の形はトップライトに近いのに暖色でまとめていてとても優しさを感じた
これも作者の意図だと思うが・・


次は女性の曲線美
森本草介氏のセピア調の色彩、間接光の調合い素敵なのだが・・・うーん・・
島村信之氏の絵もうーん・・だった
ただ「藍」はかなり好きな感じ 残念ながらホキ美術館には無かった

生島浩氏「5:55」

かなり人気だそうだがあまりピンと来なかった。一応念のためハガキだけ買ってみた
表情の憂いさと絵全体のコントラストのシャープさは生島氏の他のと同じ感じがした。


ホキ美術館は3フロア、8つのギャラリーに分かれいて1F最初のギャラリー1が企画展になっている。2から8は常設展。
その8がすごい。それぞれの作品に説明を音声で聞かせてくれる。その説明を聞いてとても印象に残ったのが
小尾 修氏の「跡」です

とても魅力的な若い裸体とユリの花は今まさに輝きに満ちあふれている。それに引き替えこの部屋の漆喰は傷付き床の木目も年期が入っていて、ユリの花を置いている椅子もきしんでいる。
ひとつひとつにドラマがあり、今は輝く美しさも年を重ねる毎に輝きは失いこの漆喰のようになる。これを愛おしいと思うか見向きもしないか・・

風景写真も同じなんだけど中々表現出来ない・・チャンチャン